階段

階段の夢は、自分の足で一段ずつ進んでいる、その途中の姿を映す夢とされる。上っていれば目標へ近づいている途中、下りていれば荷を下ろすか、足もとを見直している途中。階段は、一気には上がれない。だから夢の階段には、今の自分がどの段に立っていて、あと何段あるのかが、そのまま出てくる。読み分けの鍵は、上りか下りか、階段がどんな様子だったか(急か、長いか、暗いか、崩れそうか)、そして上り下りしているときの足の重さ。
階段が夢に出てくる意味
夢占いでは、階段は運気の流れと、目標までの道のりを表す。一段一段が、積み上げてきた努力と、これから踏む手順。勉強、仕事、人との関係を、少しずつ前へ進めているときに、夢は階段を見せる。
読み分けの鍵は三つ。
- 上っていたか、下りていたか:上りは前進と運気の上向き。下りは、理想を現実に合わせる時期か、重荷を下ろす時期
- 階段の様子:急か緩やかか、広いか狭いか、明るいか暗いか。急で狭いほど、今の道のりを険しく感じている
- 足の重さ:軽く上れたなら、今の努力は無理なく実を結ぶ。一段ごとに足が重かったなら、進みたい気持ちに体が追いついていない
階段は、エレベーターと違って自分の足でしか動かない。夢の中で自分の足がどう動いたかが、今の自分の力の出し方をいちばんよく表している。運ばれて上下する夢は → エレベーター
状況ごとの読み
階段を上る夢
目標に向かって、着実に前へ進んでいる吉夢。上りきって見晴らしのいい場所に出たなら、ひとつの目標がかなう。途中で息が切れていたなら、ペースを少し落としても、上っていることに変わりはない。駆け上がっていたなら、勢いがある反面、結果を急ぎすぎている。
階段を下りる夢
下りる夢は、凶夢とは限らない。背負っていたものを下ろす、力を抜く夢でもある。明るい階段をゆっくり下りていたなら、無理をしていた目標から、自分に合った高さへ戻っていく。暗く、怖い階段を下りていたなら、自分の奥にしまってきた気持ちを見に行く夢。急いで駆け下りていたなら、今いる場所から早く離れたい気持ちがある。
階段を踏み外す・階段から落ちる夢
一段踏み外して、体がビクッとなって目が覚める。階段の夢のなかでも、とくによく検索される夢。夢占いでは、積み上げてきたことの中に、確かめ忘れた一段があるという知らせ。急いでいたところ、人任せにしていたところを、もう一度見る時期。
落ちても手すりにつかまれた、数段で止まったなら、つまずきは小さく、自分で立て直せる。落ちる夢全般の読みと、ビクッと目が覚める感覚のことは → 落ちる
子どもや家族が階段から落ちる夢は、その人を大事に思う気持ちと、見守りきれるかという自分の不安が形になったもの。夢の中の出来事で、その人の身の上を告げる夢ではない。
階段が崩れる・壊れる夢
上っている途中で段が抜ける、家の階段が壊れる夢。怖い夢だが、夢占いでは古いやり方が役目を終えて、別の道が開ける夢として、よい方へ転じる知らせとも読まれる。崩れた階段の先に、別の階段や出口が見えていたなら、次の道はもう用意されている。家の階段だったなら、暮らしの土台を組み直す時期。→ 家
終わらない階段・長い階段の夢
上っても上っても終わらない階段は、ゴールがまだ見えないまま、頑張り続けている夢。目標が大きすぎるか、ゴールそのものがぼやけている。一度立ち止まって、次の踊り場をひとつ決めると、階段は区切られて見えてくる。長い階段を下り続ける夢は、手放すものがまだ残っている。
螺旋階段の夢
同じところを回っているようで、少しずつ高さが変わっていく。螺旋階段は、遠回りに見えて、確かに進んでいる夢。同じ悩みに何度も戻ってくるように感じていても、見えている景色は前と違う。上りきって出口に着いたなら、ひと巡りが終わる。下りていて目が回りそうだったなら、迷いが深くなっている。螺旋階段で追いかけられる夢は → 追いかけられる
急な階段・上れない階段の夢
足が上がらない、急すぎて前に進めない夢は、今の目標を、自分の力に比べて高く感じている夢。無理に一気に上ろうとせず、段を小さく刻めばいい。手すりのない階段で怖かったなら、支えてくれる人や仕組みが足りないと感じている。
暗い階段の夢
暗い階段を上っていたなら、先の見えない中で、それでも進もうとしている。下りていたなら、心の奥へ降りていく夢で、怖かったとしても、自分を深く知る入口に立っている。途中に明かりが灯っていたなら、その明かりが今の手がかり。
神社やお寺の石段を上る夢
石段を上って社殿や本堂に向かう夢は、願いに向けて、心を整えながら進んでいる夢。上りきってお参りできたなら、願いが届く時期。石段の途中で振り返った景色がきれいだったなら、ここまでの歩みがもう報われている。→ 神社
はしごを上る夢
はしごは階段よりも細く、手と足の両方を使う。一気に上へ行きたい気持ちと、それに伴う危うさの夢。しっかり握って上れたなら、飛躍の機会が来ている。天まで届くはしごの夢は、下の「言い伝えと物語」。
階段の途中で人に会う夢
すれ違った人、踊り場で待っていた人は、今の歩みに関わる人。上から手を差し伸べてくれたなら、引き上げてくれる人が現れる。知らない人だったなら → 知らない人
階段がない・見つからない夢
上の階に行きたいのに階段がない夢は、次へ進む手段が見つからないもどかしさ。建物の中で階段を探し回っていたなら → 迷う
日本の言い伝え
- 13段の階段:「13段の階段は縁起が悪い」と言われるのは、絞首台の階段が13段だった、と伝えられることから。戦後の巣鴨拘置所の絞首台が13段だったとされ、「13階段」という言い方が広まった。ただ、実際の絞首台の段数はまちまちだった。日本では昔から、奇数を陽、偶数を陰とする考え方もあり、家の階段を14段より15段にする人もいる。段数は、階の高さと一段の高さで決まる
- 出世の石段:東京・港区の愛宕神社には、86段の急な石段がある。三代将軍家光が、山の上に咲く梅を馬で取ってこられる者はいないかと問うたとき、丸亀藩の曲垣平九郎が馬でこの石段を上り下りして、梅の枝を献上した。講談「寛永三馬術」で広まった話で、それからこの石段は「出世の石段」と呼ばれる。今は、ゆるやかな女坂と、エレベーターも並んでいる
- 厄を落とす石段:兵庫・西宮の門戸厄神には、男性の大厄の年にちなむ42段の男厄坂と、女性の大厄の年にちなむ33段の女厄坂がある。一段ずつ、厄を落とすつもりで上る
- 長い参道の石段:香川の金刀比羅宮は、御本宮まで785段、奥社まで1368段。フクロウの神社として知られる鷲子山上神社にも、段数に語呂を持たせた石段がある。→ フクロウ
言い伝えと物語
- ヤコブの梯子:旧約聖書で、ヤコブは天まで届く梯子を天使が上り下りする夢を見た。→ 神様
- 天使の階段:雲の切れ間から地上へ光の筋が差す景色を、「天使の梯子」「天使の階段」「ヤコブの梯子」と呼ぶ。ヤコブの夢の梯子になぞらえた名で、宮沢賢治はこの光を「光のパイプオルガン」と書いた。階段の夢を見た日に空にこの光を見かけたなら、夢の階段がそのまま空にかかっている
タロットでは
ウェイト版に、階段を主題にした札は無い。一段ずつ積み上げる階段の読みに重なる札を挙げる。
- ペンタクルの8:職人がひとり、ベンチに座って金貨に星の模様を刻んでいる。仕上げた金貨は、横の柱に一枚ずつ掲げてある。ウェイトは、腕を磨く札、まだ準備の段にあるかもしれない札と書いた。階段を上る夢を見た日にこの札が出たなら、今は一段ずつ刻む時期
- ペンタクルの3:修道院の中で、彫刻家が高い台に立って仕事をしている。ウェイトは、8の札の絵と見比べるよう添えて、見習いが報われ、今は本気で仕事に取り組んでいる、と書いた。上りきった夢の日なら、積み上げた段が認められる
- ワンドの10:十本の棒を抱えた男が、重さに背を丸めて町へ向かっている。上れない階段の夢と同じ重さを描いた札。抱えている棒を何本か下ろせば、足は上がる
- 塔:雷に打たれた塔から人が落ちる。階段が崩れる夢と同じく、崩れるのは役目を終えた足場のほう。→ 落ちる
愛宕山の急な石段を、曲垣平九郎は馬で上り、梅の枝を持って下りてきた。門戸厄神の坂では、上る人がひと足ごとに厄を落としていく。夢の階段で足が重かった日も、上った段は、もう足の下にある。

関連する項目
エレベーター・落ちる・家・迷う・神社・神様・フクロウ・追いかけられる・知らない人
今日の一枚
大アルカナから一枚。
