落ちる

落ちる夢は、今立っている足場が揺らいでいる、と心が感じている夢とされる。仕事の立場、人との関係、自分への自信。支えにしていたものが急に頼りなく思えたときに見やすい。体がビクッとなって目が覚める、いちばん多くの人が見る怖い夢のひとつだが、夢占いでは足もとを見直す知らせとして読む。読み分けの鍵は、どこから落ちたか、最後にどうなったか、落ちている間の気持ち。着地できたか、助かったか、落ちる途中で目が覚めたか。
落ちる夢の意味
夢占いでは、落ちる夢はプレッシャーと、自信の揺らぎを表す。背伸びをしている、期待に応えようと無理をしている、新しいことに挑んでいる最中。高く上がっているときほど、夢は下を見せる。
読み分けの鍵は三つ。
- どこから落ちたか:ビルや崖のような高いところか、足もとの穴か、水の中か
- 結末:着地できたか、誰かに助けられたか、落ちる途中で目が覚めたか
- 落ちている間の気持ち:怖かったか、意外に平気だったか。ふわりとして気持ちよかったなら、重荷を下ろしたい気持ちが先に夢の中で叶っている
状況ごとの読み
高いところから落ちる夢
ビルの屋上、ベランダ、高い塔から落ちる夢は、今の自分の位置が、自分には高すぎると感じている夢。昇進や合格のあと、周りの期待が大きくなった時期にも見る。高さは、そのまま背負っているものの大きさ。
落ちる夢でビクッとなる・途中で目が覚める夢
落ちた瞬間に体がビクッと跳ねて、目が覚める。落ちる夢とほとんど一緒にやってくる、この感覚を知っている人は多い。夢占いでは、心より先に体が、重圧に「もう限界」と合図を送っている知らせで、疲れがたまっているときほど起こりやすい。
昔の人は、眠っている間、魂は体を抜け出して夢の中を歩くと考えた。そのまなざしで見るなら、ビクッは、遠くへ出ていた魂が体に戻ってきたときの揺れ。目が覚めたこと自体が、ちゃんとこちら側へ帰ってきたしるし。
落ちる前や途中で目が覚めた夢は、これから来る困りごとを、手前で避けられる夢として読まれる。「落ちる夢を見ると背が伸びる」と昔から言われるのも、夢占いでは、心が一段育つ途中にいる、という読みに重なる。
助かる・着地する夢
地面にふわりと降り立った、誰かに受け止められた、木に引っかかって助かった夢。落ちる夢のなかでいちばんよい結末で、抱えている問題は思ったより軽く、自分の力で立て直せる知らせ。きれいに着地できたなら、積み重ねてきたことが実を結ぶ。助けてくれた人がいたなら、その人が今の支え。
落ちそうになる夢・落ちずに済んだ夢
崖の縁で踏みとどまる、手すりにしがみつく夢は、緊張が続いている夢。しがみついていたものが、今手放したくないもの。落ちずに済んだなら、ぎりぎりのところで持ちこたえる力がある。
穴に落ちる夢
足もとに急に開いた穴、落とし穴に落ちる夢は、思いがけないところでのつまずきへの気がかり。油断していた場所、信じていた人との間に、確かめておきたいことがある。穴の底が明るかった、先に道が続いていたなら、その穴は新しい場所への入口。
水・海・川に落ちる夢
水に落ちる夢は、気持ちの波に呑まれそうになっている夢。水が澄んでいて泳げたなら、感情の中でも自分を保てる。濁っていた、苦しかったなら → 溺れる。場所の読みは 海、川、水。
崖・階段・エレベーター・車ごと落ちる夢
崖から落ちる夢は 山、階段を踏み外す夢は 階段、エレベーターが落ちる夢は エレベーター、車ごと落ちる夢は 車、ホームから落ちる夢は 電車、トイレに落ちる夢は トイレ に書いた。どれも、足場の揺らぎと、そこからの立て直しの夢。
空から落ちる夢・飛んでいて落ちる夢
空を飛んでいたのに急に落ちる夢は、うまくいっていたことに、自信が追いつかなくなった夢。高く飛べていた自分を、心のどこかで疑っている。もう一度浮かび上がれたなら、その自信は取り戻せる。→ 飛ぶ
飛行機が落ちる夢
乗っている飛行機が落ちる夢は、大きな計画や、期待をかけられていることへの不安。自分は乗らずに、落ちるのを外から見ていたなら、周りの変化に気持ちが引っぱられている。夢の中の出来事で、自分が助かったなら、その不安は越えられる。
突き落とされる夢
誰かに押されて落ちる夢は、人への不信や、足を引っぱられる気がかりの表れ。押した相手が誰だったかが鍵で、知らない人なら、形のない不安が姿を借りて出てきている。
落ちるのが楽しかった夢
ジェットコースターやスカイダイビングで、落ちる感覚を楽しんでいた夢は、変化を怖がらずに受け入れられる知らせ。怖くて叫んでいたなら、抑えている不満が出口を探している。
試験・面接に落ちる夢
不合格の夢は、準備が足りないのではという焦りが形になったもの。夢の中で落ちておくことで、心は本番の怖さを先に使い切る。→ 試験
落ちる夢をよく見る
同じ落ちる夢が続くのは、同じ一つの重圧を、ずっと抱えているから。どこから落ちたか、何につかまろうとしたかを書き留めておくと、揺らいでいる足場の正体が見えてくる。
誰が落ちたか
- 家族・子ども:その人を大事に思う気持ちと、守りきれるかという自分の不安の夢。夢の中の出来事で、その人の身の上を告げるものではない。→ 母親、父親、赤ちゃん
- 知っている人・友達:その人との関係が変わりそうだと感じている
- 知らない人:自分の中の、まだ形のない不安。→ 知らない人
- 猫や犬などのペット:安らぎの場所を失いたくない気持ち。→ 猫、犬
言い伝えと物語
- 夢は魂の外出:昔の日本では、夢や失神は、魂が体から離れているときに起こるものと考えられた。魂は抜け出しては戻ってくるもの。落ちる夢から飛び起きた朝は、戻ってきた自分の体を確かめるように、深く息をつく
- 落ちないりんご:受験生の前では「落ちる」「すべる」を言わない、という気づかいが今も残る。1991年の台風で、青森のりんご畑では収穫前の実の多くが落ちた。藤崎町の農家は、嵐に耐えて枝に残った実を「落ちないりんご」と名づけ、翌年、全国の神社で受験生の縁起物として売り出した。落ちる夢を見たあとの試験には、落ちなかった実の話を持っていく
- 不思議の国のアリス:アリスは白ウサギを追って穴に飛び込み、深い井戸を落ちていく。けれど落ちるのはとてもゆっくりで、壁の棚からマーマレードの瓶を取って眺める余裕まであった。落ちながらうとうとして、飼い猫ダイナと歩く夢を見かけたところで、枯れ枝と枯れ葉の山の上にどさりと着く。アリスは少しもけがをせず、すぐに立ち上がって走り出した
タロットでは
- 塔:雷に打たれた塔から、二人の人が真っ逆さまに落ちていく。ウェイトは、崩れるのを偽りの家とした。落ちる夢を見た日にこの札が出たなら、揺らいでいるのは、もう自分を支えていない足場のほう
- 吊るされた男:生きた木に、男が逆さに吊られている。ウェイトは、その顔は苦しみではなく深い恍惚を表し、宙に止まった命であって死ではない、と書いた。落ちる途中で目が覚めた夢は、この宙づりの一瞬に似ている。逆さの景色から、見えていなかったものが見える
- 愚者:若者が軽い足取りで崖の縁に立ち、遠くの空を見ている。ウェイトは、深みに開いた縁に怖れはなく、もし飛び降りても天使たちが支えようと待っているかのようだ、と書いた。落ちる夢のあとにこの札が出たなら、アリスが着いた枯れ葉の山のように、落ちた先には受け止めるものが用意されている

関連する項目
山・階段・エレベーター・車・電車・トイレ・飛ぶ・溺れる・海・川・水・試験・事故・知らない人・母親・父親・猫・犬・うさぎ・追いかけられる・遅刻
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大アルカナから一枚。
