亡くなった人

亡くなった人が夢に出てくるのは、その人とのつながりが、まだ続いているからとされてきた。昔から「夢枕に立つ」と言うように、夢は、会えなくなった人と会える数少ない場所だった。夢の中の相手の様子は、相手の今を知らせるというより、残された自分の今を映していることが多い。笑顔なら、自分の中で別れがおだやかに落ち着いてきている。無言や怒った顔なら、まだ言葉にしていない思いが自分の側にある。
亡くなった人が夢に出てくる意味
夢占いでは、亡くなった人の夢の多くは凶夢ではない。見守られていることの知らせ、あるいは、自分の中で何かが区切りを迎える知らせとされる。気をつける夢とされてきたのは、連れて行かれる夢と、自分の物を渡す夢くらいで、それも受け取り方がある(下の節)。
読み分けの鍵は二つ。
- 相手がどんな様子だったか:笑っていたか、黙っていたか、何かを言ったか
- 目が覚めたとき、自分がどう感じていたか:温かかったか、寂しかったか、怖かったか
目覚めたときの気持ちが、その夢のいちばん大事な答えになる。温かさが残っていたなら、それが相手から受け取ったもの。
状況ごとの読み
何かを話していた夢
夢の中で言われた言葉は、覚えている限り、そのまま受け取っていい。言葉がはっきりしていたなら、今の自分に必要なことが、その人の声を借りて届いている。
言葉を思い出せないことも多い。そのときは、話している間の空気を思い出す。穏やかだったなら、励ましだった。
何も話さない・無言の夢
無言の夢は、言葉がいらない夢。そばにいることを伝えに来ている。自分の側に、まだ言えていないことが残っている場合にも見る。お礼でも、謝りたかったことでも、心の中で言葉にすると、次に見る夢が変わることがある。
笑顔だった・楽しそうだった夢
いちばん安心していい夢。相手が安らかであることと、自分の中で別れが受け入れられてきていることの、両方の知らせ。笑顔の夢を見た朝は、その人のことを思い出して笑っていい。
怒っていた夢
怒った顔の夢は、見た人をいちばん不安にさせる。けれど、怒りは多くの場合、相手のものではなく、自分の中にある後ろめたさや、無理をしていることへの知らせ。「このままでいいのか」と自分に問いかけていることが、その人の顔を借りて出てくる。
生前によく叱ってくれた人なら、叱る声は心配の形。お墓参りや、仏壇に手を合わせる時間を持つと、夢の顔が和らぐと言われる。→ 墓
生き返る夢・生きているように普通にいる夢
亡くなったことを忘れて、ふつうに一緒に過ごしている夢。会いたい気持ちが強いときに見る。同時に、その人から受け継いだものが、自分の中で生きているという知らせでもある。口ぐせ、料理の味、考え方。夢の中で生きていたのは、自分の中で生きている部分。
抱きしめられる・手を握られる夢
守られている夢。触れられた感覚が目覚めても残っていたなら、それはそのまま受け取っていい。大きな決断や、つらい時期の前後に見ることが多い。
名前を呼ばれる夢
呼ばれた声に振り向いた夢は、気づいてほしいことがあるという知らせ。自分の体や暮らしに、見落としていることがないかを確かめる時期。
電話で話す夢
電話は、離れた場所どうしをつなぐもの。電話の夢は、会えなくてもつながっているという知らせで、声が届いたこと自体に意味がある。
一緒にご飯を食べる・料理をしてくれる夢
生前の日常がそのまま出てくる夢。力をもらう夢で、疲れているときに見やすい。料理をしてくれたなら、自分をもっと労わっていいという知らせ。
連れて行かれる・一緒に行こうと誘われる夢
怖い夢として検索されることが多い。昔から、夢の中で故人に誘われても、ついて行かなければいいと言われてきた。ついて行かずに目が覚めたなら、それで十分。
夢占いでは、連れて行かれる夢は、疲れがたまっているとき、今の場所から離れたい気持ちがあるときに見る。休む時期に来ている。
何度も出てくる夢
同じ人が何度も夢に出てくるなら、その人との間に、まだ終わっていない話がある。伝えたかったこと、聞きたかったこと。夢を見た日に、その人のことを書き留めておくと、夢の意味がつながって見えてくる。
夢に出てきてくれない
「会いたいのに出てきてくれない」と検索する人も多い。昔から、残された人が悲しみの中にいる間は、故人は夢に出にくいと言われる。出てこないのは、離れたからではなく、見守る側にいるから。気持ちが少し落ち着いた頃に、ふっと出てくることが多い。
誰が出てきたか
- 父:生き方の軸、決断。迷っているときに出てくることが多い。→ 父親
- 母:安心、自分を大事にすること。疲れているときに出てくることが多い。→ 母親
- 祖母・祖父:家のつながり、見守り。家族に節目があるときに出てくる。→ 祖母、祖父
- 友人:その人と過ごした頃の自分。あの頃の自分が今の自分に何か言いに来ている
いつ見たか
- 四十九日まで:仏教では、亡くなってから四十九日の間を中陰と呼び、故人はまだこの世とあの世の間にいるとされる。この時期の夢は、別れの挨拶として受け取られてきた
- お盆:先祖の霊が家に帰ってくるとされる時期。迎え火で迎え、送り火で送る。お盆の頃に見る夢は、帰ってきた人が顔を見せに来たもの
- 命日や誕生日の頃:その人を思い出す日に見る夢は、覚えていてくれたことへの返事
日本の言い伝え
- 夢枕に立つ:神仏や故人が夢に現れて、何かを告げること。古くから、夢は向こう側からの知らせが届く場所とされてきた
- 夢の中で物をもらう・渡す:故人から物をもらう夢は吉夢で、運や受け継ぐものを授かる知らせとされる。反対に、故人に自分の物を渡す夢は、昔から気をつける夢とされてきた。自分の力を向こうへ分けてしまう、という読み。こういう夢を見たら、しばらくは無理をせず、よく眠って、自分に力を戻す時期にする
- 夢の話をする:いい夢は、人に話すより、仏壇やお墓で故人に報告するのがよいとされる
タロットでは
- 審判:天使がラッパを吹き、棺から人々が起き上がる絵柄。亡くなった人がよみがえる夢と、同じ像をもつ札。呼びかけに応えて目覚めること、再会と再生を表す
- 死神:終わりと始まり。この札の「死」は、ひとつの時期が終わって次が始まること。亡くなった人の夢を見た日にこの札が出たなら、自分の中の区切りを表している

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