墓

墓は、先祖と自分がつながる場所として読まれてきた。亡くなった人が眠る場所でありながら、日本では、家族が季節ごとに訪ね、水をかけ、花と線香を供えて、近況を話しに行く場所でもある。夢でも、墓は怖い場所としてではなく、吉夢として読まれることが多い。表しているのは、先祖からの守り、ひとつの時期の終わり、そしてそこから始まる新しい運。
墓の夢
墓の夢は、夢占いでは吉夢とされることが多い。死を連想させるが、夢の中の死や墓は、古いものが終わって新しいものが始まる再生の象徴。悩みがひと区切りつく、思いがけない幸運が巡ってくる、という読みが中心になる。
読み分けの鍵は、墓の様子と、そこにいた自分の気持ち。手入れの行き届いた明るい墓で、穏やかな気持ちだったなら、運が開く知らせ。荒れた墓で、寒々しい気持ちだったなら、自分や家の中に、手をかけてあげるべきところがある知らせ。
お墓参りをする夢
先祖に守られている夢。家の運が上がっていることの知らせとされる。夢の中で手を合わせていたなら、自分の願いや感謝が、先祖にきちんと届いている。
亡くなった家族のお墓参りをする夢は、その人との別れが、自分の中でおだやかに落ち着いてきている知らせ。→ 亡くなった人
線香をあげる・花を供える夢
花がきれいだったなら、人との縁に恵まれる時期。供えた花がしおれていたなら、忙しさで、大事な人とのつながりをおろそかにしていないかを見る。
お墓を掃除する夢
運気を整える夢。自分の中の迷いや、人間関係のもつれを片づける時期に来ている。墓石がきれいになっていくほど、抱えていた問題も片づいていく。
先祖の墓の夢
家の流れ、受け継いできたものの夢。家族の中で、結婚や出産、跡継ぎのことなど、家に関わることが動く時期に見やすい。自分が一人ではなく、長いつながりの先にいることを思い出させる夢。→ 祖母、祖父
自分の墓を見る夢
自分の名前が刻まれた墓を見る夢は、怖く見えて、実は転機の夢。古い自分が終わり、生まれ変わる時期に来ている。今つらい状況にいるなら、そこから好転していく知らせとされる。
知らない人の墓・知らない墓地の夢
知らない墓は、自分がまだ気づいていない縁や、思いがけないところからの運を表す。知らない人と一緒にお墓参りをしていたなら、これから出会う人が、自分を助けてくれる。
墓地を歩く・迷う夢
墓地を歩く夢は、過去を振り返っている時期の夢。迷って出口が見つからなかったなら、終わったことにまだ気持ちが引っぱられている。明るい出口に向かって歩けたなら、その件はもう手放せる。
お墓が倒れる・壊れる夢
胸が騒ぐ夢だが、夢占いでは、墓が壊れるのは古い枠が崩れて、新しく作り直す時期の知らせとも読まれる。自分で壊した夢は、行き詰まりを自分の手で打ち破る吉兆。
倒れた墓を見て悲しかった、怖かったなら、家族や自分の体に、目を向けてほしいところがある知らせ。気になるなら、お墓参りに行くか、仏壇に手を合わせる。夢の不安は、それで落ち着く。
墓から誰かが出てくる夢
亡くなった人が墓から出てくる夢は、その人から受け継いだものが、自分の中で目を覚ます夢。知らない人なら、眠っていた才能や、忘れていた望みが動き出す知らせ。→ 幽霊
現実でお墓参りをしたとき
- お墓でカエルを見た:スピリチュアルでは、先祖が歓迎しているしるしとされる。「無事にかえる」「福がかえる」に通じる生き物で、帰り道の無事を守るとも。→ カエル
- お墓に蝶が来た:蝶は昔から魂の姿とも言われ、故人が会いに来たと受け取る人は多い。→ 蝶
- お墓に蜂が巣を作っていた:スピリチュアルでは、家族の繁栄や守りのしるしとして読まれることがある。巣には近づかず、霊園や石材店に相談して取り除いてもらう。→ 蜂
- お墓参りの日が雨だった:陰陽の考えから雨の日の墓参りを避ける人もいるが、雨は心の曇りを洗い流す清めの雨とも言われる。故人を思って足を運んだなら、雨の日でも喜ばれる。→ 雨
- お墓参りに行けない:遠くて行けない、時間が取れないときは、家の仏壇や、その人の写真に手を合わせる。行けないことを気に病むより、思い出す時間を持つほうが、先祖は喜ぶとされる
日本の縁起
- 生前墓(寿陵):生きているうちに自分の墓を建てること。「縁起が悪いのでは」と検索されるが、むしろ逆で、昔から長寿・家庭円満・子孫繁栄を招く縁起のよいこととされてきた。起こりは中国で、日本では聖徳太子が生前に自分の墓を造ったと伝わる。寿陵の「寿」は、長寿の寿。生きているうちに自分の供養を整えることは、仏教で「逆修」と呼ばれ、大きな功徳を積むこととされる
- 開眼供養(魂入れ):新しい墓を建てたとき、僧侶に読経してもらい、墓石に魂を入れる。これで墓石は、ただの石から、手を合わせる対象になる
- 閉眼供養(魂抜き)と墓じまい:墓を移す、たたむときは、先に魂を抜く供養をする。きちんと供養をしてからなら、墓じまいは先祖を粗末にすることにはならず、次の場所へ移っていただくこととされる
- お墓参りに行ってはいけない日:仏教の上では、行ってはいけない日は無い。仏滅や友引は六曜という暦の考えで、仏教とは別のもの。いつ行ってもいい。ただ、昔から夕方以降の墓参りは避けたほうがよいと言われ、明るいうちに行くのが習わし
- 墓石に水をかける:水は清らかなものの象徴で、墓石に水をかけるのは、墓と先祖の霊を清めるためとされる
- 線香の火は息で吹き消さない:仏教では、人の口から出る息は不浄とされる。線香の火は、手であおいで消す
- お供え物は持ち帰る:食べ物は置いて帰らず、持ち帰って家族でいただく。先祖と分け合って食べる、という意味がある
- 南天:「難を転ずる」に通じる縁起木で、墓所に植えられることも多い
タロットの墓
以下はウェイト版の絵柄。
- 審判:天使がラッパを吹き、棺から人々が両手を広げて起き上がる。墓や棺は、ここでは終わりではなく、呼びかけに応えて目覚める場所として描かれている。墓の夢を見た日にこの札が出たなら、再生の読みがそのまま重なる
- ソードの4:教会の中で、騎士の像が墓の上に横たわり、手を合わせている。壁に3本、墓の側面に1本の剣。戦いの合間の休息、回復、ひとりで静かに過ごす時間を表す。お墓参りの夢と同じく、立ち止まって自分を立て直す時期を告げる札
世界の象徴としての墓
- エジプトのピラミッド:王の墓であり、死後の世界へ旅立つための場所。墓は、次の生への入口と考えられていた
- 空の墓:新約聖書で、十字架にかけられたイエスが葬られた墓は、三日目に空になっていた。キリスト教では、墓は復活を告げる場所になった
- メキシコの死者の日:毎年11月の初め、家族が墓をマリーゴールドの花やろうそくで飾り、帰ってくる死者を迎える。日本のお盆とよく似た、墓を囲んで死者と過ごす祭り
お盆の迎え火も、死者の日のろうそくも、墓の前に灯りをともして、向こうから来る人を待つ。夢に出てきた墓も、何かが終わって何かが始まる入口に、灯りがともった場所になっている。

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