幽霊

幽霊の夢は、形になりきれていない不安や、置いてきた思いが、姿を借りて出てくる夢とされる。はっきり言葉にできない心配ごと、片づけたつもりの過去、疲れの重さ。夢占いでは凶夢ではなく、見えないままだったものが見える場所まで上がってきた知らせとして読む。読み分けの鍵は、怖かったか、怖くなかったか。どんな幽霊だったか。そして幽霊を前にして、自分がどう動いたか。
幽霊が夢に出てくる意味
夢占いでは、幽霊は正体のつかめない不安の姿。何が心配なのか自分でも言えないとき、気持ちは輪郭のぼやけた白い影になって出てくる。もう終わったはずの人間関係や、手放しきれていない後悔も、同じ姿をとる。
眠りが浅く、心と体が疲れているときにも見やすい。幽霊の夢が続く時期は、まず休むことが夢への返事になる。
読み分けの鍵は三つ。
- 怖かったか:震えるほど怖かったなら、不安がふくらんでいる。怖くなかったなら、その不安はもう越えかけている
- どんな幽霊だったか:知っている人か、女性か、子どもか(下の「どんな幽霊だったか」)
- 自分がどう動いたか:逃げたか、話しかけたか、追い払ったか。動き方が、その不安との向き合い方を映す
状況ごとの読み
怖い幽霊の夢・リアルな心霊の夢
目が覚めても心臓が鳴っていた、部屋の空気まで冷たく感じた夢。気がかりなことが、自分で思っているより大きくなっている。怖さの強さは、その心配ごとの大きさ。夢の中で、幽霊がどこに立っていたか、何を見ていたかを思い出すと、何が気になっているのかが見えてくる。
怖くない幽霊の夢
幽霊が出たのに怖くなかった、ふつうに眺めていた夢は、運気が上向く知らせとされる。不安を不安のまま見ていられる落ち着きが、もう自分の中にある。新しいことを始めるのに向いた時期。
金縛りにあう夢
体が動かず、そばに何かの気配がある。夢占いでは、金縛りの夢は心も体も疲れきっている知らせで、とくに休みを求める夢。黒い影が去っていったなら、重たいものが一つ抜けていった。→ 黒
追いかけられる・襲われる夢
幽霊に追われる夢は、向き合わずにいることが、すぐ後ろまで来ている夢。逃げ切れたなら切り抜ける力があり、振り返れたなら向き合う時期が来ている。→ 追いかけられる
腕を掴まれる・引っ張られる・触られる夢
掴まれた感覚が目覚めても残る夢。何かに引き留められている気持ちの表れで、やめたいのにやめられないこと、断れずにいる頼まれごとがあるときに見る。振りほどけたなら、その縛りから離れる力が戻っている。
取り憑かれる夢
幽霊が自分の中に入ってくる夢は、自分の考えではないものに、流されている知らせ。誰かの言葉や、まわりの空気に合わせすぎていないかを見る時期。取り憑かれたあとで自分を取り戻せたなら、選び直しが間に合う。
幽霊と話す夢
話しかけた、話しかけられた夢は、見えない不安に言葉を与えはじめた夢。会話ができたなら、その心配ごとはもう半分ほどき始めている。言われた言葉を覚えていたら、書き留めておく。
退治する・倒す・追い払う夢
幽霊と戦って勝った夢、追い払えた夢は、問題に自分から立ち向かう力が満ちている夢。幽霊を殺す夢、成仏させる夢は、抱えていた不安が終わり、再スタートを切れる知らせとされる。
塩をまく・お経を唱える夢
夢の中で塩をまいた、お経を唱えた夢は、自分で自分を清めようとしている夢。いらないものを払い、区切りをつけたい気持ちが強い時期。効いた手ごたえがあったなら、その区切りはつけられる。
家や部屋に幽霊が出る夢
家は自分自身を映す場所。自分の家に幽霊が出るなら、暮らしの中に気がかりが住みついている。知らない家なら、まだ自分でも気づいていない心配ごと。昔住んでいた家なら、その頃のことが今も尾を引いている。トイレに出たなら、出したいのに出せずにいる気持ちがある。→ 家、トイレ
自分が幽霊になる夢
自分が幽霊になって、人に気づかれずに歩いている夢。今の自分から、新しい自分へ変わっていく夢として読まれる。同時に、まわりに気づいてほしいのに言い出せずにいる寂しさを映すこともある。
幽霊の夢ばかり見る
幽霊の夢が続くのは、同じ一つの不安を、ずっと置いたままにしているから。夢の場所や幽霊の姿が毎回似ているなら、それがその不安の正体に近い。よく眠れる夜が増えると、夢の幽霊も薄くなっていく。
どんな幽霊だったか
- 知っている人・亡くなった人:その人との間に、まだ話しきれていないことがある。亡くなった人が出てきた夢は → 亡くなった人
- 女の幽霊・赤い服の女:感情の強さ。赤い服なら、怒りや情熱が自分の中で燃えている。→ 赤
- 子ども・女の子の幽霊:置いてきた子どもの頃の自分、守ってほしかった気持ち
- 白い幽霊:いちばん多い姿。白は清めの色でもあり、白く見えたのは、その不安が払われる手前に来ているから。→ 白
- たくさんの幽霊:小さな心配ごとが重なっている。一つずつ片づければ、数は減っていく
- 猫の幽霊:身近にいた生き物の姿は、見守りの知らせ。→ 猫
日本の言い伝え
- 足のない幽霊:日本の幽霊に足がない姿は、江戸時代の絵師、円山応挙が描き始めたとも言われる。ただし諸説あり、それより前の元禄の頃には、足のない幽霊の絵があったとも言われる
- 牡丹灯籠:三遊亭円朝の怪談。お露の幽霊は、牡丹の灯籠を提げた女中のお米を先に立てて、夜ごと新三郎のもとへ通ってくる。清水のほうからカランコロンと近づく駒下駄の音が、二人の来る合図だった。人相見の白翁堂勇斎に死相が出ていると告げられた新三郎は、新幡随院の良石和尚から仏像とお札を授かり、戸という戸にお札を貼って、夜が明けるまで外へ出ずに籠もった。お札のある間、幽霊は家に入れなかった。封じが破れたのは、伴蔵とお峰の夫婦が、幽霊から百両を受け取る約束で、新三郎の肌守りの仏像を盗み、札をはがしたから
- 清め塩:『古事記』で、黄泉の国から戻ったイザナギは、海の水で身を清めた(禊)。塩で穢れを払う習わしの、もとのひとつとされる。葬儀の帰りに塩で身を清めるのもこの流れで、死を穢れとしない浄土真宗などでは用いない
- 夢違観音(ゆめちがいかんのん):奈良の法隆寺にある、白鳳時代の銅の観音像。悪い夢を見たとき、この観音に祈ると良い夢に変えてくれると信じられ、その名で呼ばれてきた。江戸時代の書物にも、その信仰が書き留められている
タロットでは
- カップの7:雲の上に七つの杯が浮かび、それぞれに人の頭、蛇、城、宝石、月桂冠、竜、そして布に覆われて光る姿が入っている。手前の人は影になって、それを見上げている。ウェイトはこれを幻の杯と呼び、想像や、観想の鏡に映るものの札と書いた。形はあっても、まだ中身の定まらない像。幽霊の夢を見た日にこの札が出たなら、怖れているものは、まだ雲の上の像のうちにある
- ソードの9:暗い部屋で、寝台に起き上がった女性が顔を両手で覆い、その後ろの闇に九本の剣が並んでいる。悪夢から覚めた夜の札。けれど剣は壁の側に並んでいるだけで、女性の体には一本も触れていない。金縛りの夜に見た影も、腕を掴んだ手も、夢が覚めたところで同じ距離に下がっている

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大アルカナから一枚。
