指輪

指輪は、始まりも終わりもない輪で、自分と何かを結ぶ約束のしるしとして読まれてきた。夢の指輪は、恋人や結婚の話だけを映すのではない。仕事、友人、生き方、そして自分自身。何と結ばれていたいのか、何との結びつきがゆるんでいるのかが、指輪の姿で出てくる。日本では、指輪の輪は縁に重ねられ、輪を切ることは縁を切ることに通じるとされてきた。
指輪の夢
指輪の夢が表すのは、約束、絆、自分の価値、そして守りたい関係。輪は途切れないので、指輪の夢には「続いていくもの」への思いがこもる。
読み分けの鍵は三つ。
- 誰とのあいだの指輪か:もらった相手、贈った相手、拾った指輪なら持ち主の見えない指輪
- 指輪がどうなったか:はめた、なくした、壊れた、外れなかった
- 指に合っていたか:ぴったりなら、その結びつきは今の自分に合っている。きつい、ゆるいなら、関係の窮屈さや距離が出ている
指輪をもらう夢
誰かに認められ、大切にされたい気持ちが満ちている夢で、夢占いでは吉夢とされる。新しい約束、新しい役目が来る知らせ。
- 恋人・彼氏から:関係を深めたい気持ちが、二人の間で育っている
- 元彼から:その人との時間の中に、まだ受け取りきれていないものがある。未練というより、あの頃の自分が持っていた自信を取り戻したい気持ち。→ 元彼
- 友達から:友情が一段深まる。仕事の仲間なら、信頼を預けられる
- 芸能人から:あこがれている人の輝きを、自分の中にも見つけたい夢。→ 芸能人
- 結婚している人が、別の誰かから:今の暮らしで足りないものを、夢が指輪の形で見せている。浮気の予告ではない。→ 旦那
大きな指輪をもらったなら、受け取る役目や期待も大きい。婚約指輪・プロポーズの夢は 結婚 に。
指輪をはめる夢・どの指か
自分で指輪をはめる夢は、自分との約束の夢。決めたことを守る覚悟が固まっている。
夢占いやスピリチュアルでは、どの指かで読みを分けることが多い。
- 左手の薬指:心と結ばれた約束。結婚している人なら今の関係、していない人なら、心から大事にしたいもの
- 右手の薬指:自分の魅力と、豊かさ。金運の指として読まれることもある
- 小指:願いと、まだ形になっていない縁
- 人差し指・中指:進む向きと、直感
- 親指:意志の強さ。自分の力で道を開く
左手は受け取る側、右手は出していく側と読むのが、スピリチュアルでよく使われる分け方。
指輪をなくす・外れる夢
いちばん不安になる指輪の夢。夢占いでは、結びつきを結び直す時期の知らせとして読む。今の関係や約束の中に、形だけ残って中身が変わってきたものがある。
必死に探していたなら、その結びつきを失いたくない気持ちが強い。探しても見つからず、それでも落ち着いていたなら、もう役目を終えたものを、手放す準備ができている。見つかった夢なら、ゆるんでいた縁がもう一度締まる。
指輪がするりと抜ける夢は、縛られていたものから自由になりたい気持ち。
指輪が壊れる・割れる・石が取れる夢
輪が切れる夢は、関係や約束の形が変わる知らせ。終わりを告げるより、今の形が窮屈になっている、という読みが中心になる。
石が取れる夢は、その関係の中で、いちばん輝いていたものを見失いかけている知らせ。取れた石を拾えた夢なら、それはまだ手の中にある。
指輪を拾う・買う夢
指輪を拾う夢は、思いがけない出会いや機会が来る夢。持ち主がいると気づいて届けた夢なら、人との縁を大事にできる時期にいる。
自分で指輪を買う夢は、自分の価値を自分で認める夢。誰かからもらうのを待たずに、自分に約束を贈っている。
たくさんの指輪の夢
指にいくつも指輪をつける夢、たくさんもらう夢は、人気や注目が集まる時期。ただ、重くて手が動かなかったなら、引き受けた約束が多すぎる。
金・銀・ダイヤの指輪の夢
現実で指輪に起きること
- 石が取れた・指輪が切れた:スピリチュアルでは、持ち主の身代わりになった、と受け取ることが多い。直して使い続けるなら、ひとこと礼を言ってから
- 指輪をなくした:夢と同じく、結び直す時期として受け取れる
- 形見の指輪:受け継ぐ人の手に、亡くなった人の思いが渡っていく指輪。はめる指は、自分がいちばん落ち着く指でよい、とされることが多い。ネックレスに通して身につける人もいる。→ 亡くなった人
- 中古の指輪:前の持ち主の思いが残る、と気にする人もいる。スピリチュアルでは、流水や月の光で清めてから身につける
日本の縁起
日本で結婚の指輪が広まったのは明治以降で、婚約指輪が定着したのは昭和30年代からとされる。
- サイズ直し:輪を切って詰める・広げるので、「円を切る」が「縁を切る」に通じて縁起が悪い、と言われることがある。一方で、輪を切り開いて縁を広げる、と読み替える人もいる
- 指輪を贈る日:大安や天赦日が選ばれる。→ 結婚
タロットの指輪
タロットに指輪を名にした札は無いが、終わらない輪と、結びつきを描いた札がある。以下はウェイト版の絵柄。
- 運命の輪:空に浮かぶ大きな輪の上にスフィンクス、輪の左を蛇が下り、右をアヌビスが上っていく。四隅の雲には、翼のある四つの生き物が本を読んでいる。回り続ける輪は、巡ってくる縁の札
- 世界:楕円の月桂樹の輪の中で、人が踊っている。ひとつの輪が閉じて、完成する札。指輪をはめる夢と重なる
- カップの2:向き合った二人が杯を交わす。結びつきと約束の札。→ 結婚
指輪をなくす夢を見た日に 運命の輪 が出たなら、離れたものは輪を回って、別の形で戻ってくる。
世界の象徴としての指輪
- 愛の血管:左手の薬指から心臓まで、まっすぐ通じる血管があると信じられ、ラテン語で vena amoris(愛の血管)と呼ばれた。左手の薬指に誓いの指輪をはめる理由として、ヨーロッパで長く語られてきた
- ヴィクトリア女王の蛇の指輪:1839年、アルバート公がヴィクトリア女王に贈った婚約指輪は、エメラルドをはめた金の蛇の形だった。蛇は永遠の愛のしるしとされた
- 漁師の指輪:ローマ教皇がはめる指輪。漁師だった聖ペテロの姿が刻まれ、文書の封印に使われてきた。教皇が亡くなると、この指輪は壊される。指輪が、その人の務めそのものだった
- ギュゲスの指輪:プラトン『国家』に出てくる話。羊飼いが地の裂け目で見つけた金の指輪は、台座を内側に回すと姿が消えた。人は見られていなくても正しくいられるか、という問いの指輪
- 海との結婚:ヴェネツィアでは、昇天祭の日に総督が船で沖へ出て、金の指輪をアドリア海へ投げ入れた。海と結婚し、海とのつながりを誓い直す儀式で、今も市長が続けている
ヴェネツィアの総督は、毎年、指輪を海へ投げた。手放した指輪は、失われたのではなく、海との約束を結び直すためのものだった。夢で指輪をなくして目が覚めたなら、次に指にはめるものは、今の自分が選び直した約束になる。

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