カエル

カエルは、かえる生き物として読まれてきた。旅から無事に帰る、手放したお金が返る、そしてオタマジャクシから姿を変える。日本では名前そのものが縁起になり、お守りや置物として玄関や財布に置かれてきた。雨を呼ぶ声で季節を知らせ、水と陸を行き来する体で、二つの世界のあいだに住む。夢では、出ていったものが戻ってくる知らせと、自分が変わる時期の両方を表す。
カエルの夢
夢占いでは、カエルは幸運、金運、変化、そして回復の象徴。多くは吉夢として読まれる。何かを待っているとき、あるいは自分の中で何かが変わりかけているときに見やすい。
読み分けの鍵は、カエルがどちらへ跳んだか。自分のほうへ跳んできた、足元にじっとしていたなら、待っていたものが戻ってくる知らせ。お金、人、元気、失くしかけた自信。遠くへ跳んでいった、水に飛び込んで消えたなら、自分が次の場所へ移る時期で、古い形から一つ抜け出していく。
大量のカエル・たくさんのカエルの夢
夢占いでは、たくさんのカエルは豊かさと繁栄の印。小さなカエルが一面にいたなら、小さな幸運が続けてやってくる。ただ、ぞっとするほどの数に囲まれていたなら、やることや人づきあいが一度に押し寄せて、少し息苦しくなっている。どちらの気持ちで目覚めたかで読み分ける。
大きいカエル・ガマガエルの夢
大きなカエルは、大きな実りの夢。まとまったお金や、これまでの努力が形になって返ってくる流れを表す。大きいカエルの夢のあとに宝くじを買う人も多い。→ 宝くじ。ガマガエルのごつごつした姿が怖かったなら、見た目は地味でも、じっくり育ってきた力がある知らせ。
緑のカエル・アマガエルの夢
いちばんよく見るカエルの夢。緑のアマガエルは、若返りと回復の印。疲れていた体や心が、雨上がりの葉のように持ち直してくる。→ 緑、雨
白いカエル・金色のカエル・黄色いカエル・黒いカエルの夢
白いカエルは、清らかな縁と、願いが通る知らせ。金色や黄色のカエルは、金運の夢として特に喜ばれる。黒いカエルは、まだ表に出ていない気持ちや、胸にしまっている心配ごと。怖かったなら、その心配はもう形をとって見えるところまで来ている。→ 白、金色、黄色、黒
カエルを捕まえる夢
チャンスを自分の手でつかむ夢。臨時の収入や、仕事での思いがけない成功の知らせとされる。捕まえたカエルが手の中でおとなしくしていたなら、手に入れたものを長く持っていられる。すり抜けて逃げたなら、急がなくていい。
カエルが家に入ってくる夢
家に福が入ってくる夢。出ていったものが帰ってくる、家族の運が上向く知らせとして読まれる。玄関から入ってきたなら、外から縁や知らせが届く。→ 家
カエルが飛びつく・噛まれる夢
思いがけない出来事が、向こうから飛び込んでくる夢。驚いただけで済んだなら、急に巡ってきた機会。噛まれて痛かったなら、身近な人との小さな行き違いに気をつけておく知らせ。
カエルを踏む夢
うっかり踏んでしまう夢は、足元の小さな幸運を見過ごしかけている知らせ。踏んだ感触が気持ち悪かったなら、今の暮らしで後回しにしているものがある。
カエルが鳴く夢
鳴き声がにぎやかに響く夢は、待っていた知らせや、恵みの雨のような流れが近い。カエルが鳴くと雨、という言い伝えは 雨 に。
オタマジャクシの夢
まだ形になる前の始まりの夢。これから姿を変えて育っていく計画や縁。白いオタマジャクシは、始まりがとても清らかな印。子を授かる知らせとして受け取る人もいる。→ 妊娠、卵
気持ち悪いカエルの夢
ぬめりや跳ね方が気持ち悪かった夢も、凶夢とは読まない。カエルは姿を変える生き物なので、気持ち悪さは、変わる前のもどかしさの形。変わりたいのに、まだ古い皮の中にいる。目覚めてほっとしたなら、その変化はもう受け入れられる。
現実でカエルに出会ったとき
- 玄関や庭にカエルがいる・住みつく:「福がかえる」「無事かえる」の縁起から、家に戻ってくる福の印として受け取れる。追い払わず、そっとしておく
- 車にカエルがついていた:旅の無事を願う「無事かえる」にあてはめて、出かけた先から無事に帰ってこられる印として受け取れる
- カエルの声で雨を知る:→ 雨
- お墓でカエルを見た:→ 墓
日本の縁起
- かえるの語呂合わせ:無事に帰る、お金が返る、若返る。名前の音がそのまま願いになり、交通安全や旅のお守り、財布に入れる小さなカエル、玄関の置物として親しまれてきた。→ 財布
- 二見興玉神社の蛙:伊勢の夫婦岩で知られる二見興玉神社には、たくさんの蛙の像が奉納されている。社によれば、龍神は雨を喜ぶことから蛙が献じられてきたもので、伊勢参りの人々が旅と航海の無事を祈った「無事かえる」の願いから出たと伝わる。今も、無事にかえる・お金がかえる・物事がかえると言われる。→ 神社、龍
- 本能寺の三足の蛙:京都の本能寺には、織田信長が愛用したと伝わる、三本足の蛙をかたどった唐銅の香炉が残る。本能寺の変の前夜、この蛙が鳴いて危難を知らせたという。三本足の蛙の縁起(金蟾)は お金 に
- がま口:口金がガマガエルの口に似ていることからの名。→ 財布
- 小野道風と柳の蛙:平安の書家・小野道風が、字の上達をあきらめかけていた雨の日、柳の枝に何度も飛びつこうとする蛙を見た。風で枝がしなったとき、蛙はついに飛び移った。それを見て道風は、自分の努力が足りなかったと思い直したという。江戸時代の浄瑠璃で広まった話で、花札の11月の札に、傘をさした道風と蛙が描かれている
タロットのカエル
ウェイト版にカエルが描かれた札は無い。水と陸の両方に身を置く絵柄や、水から這い上がる生き物の絵柄を、カエルに重ねて読む。
- 節制:翼のある天使が、杯から杯へ命の水を移している。片足は地に、片足は水に置いている。水と陸のあいだで暮らすカエルのように、二つのものを混ぜ合わせて整える札。カエルの夢のあとに出たなら、変わりかけているものと、今までのものの釣り合いが取れていく
- 星:大きな星の下で、裸の女性が片膝を陸に、片足を水の上に置き、二つの水差しから水を注いでいる。そばの木には鳥がとまる。希望の札。オタマジャクシや緑のカエルの夢の日にこの札が出たなら、始まったばかりのものに、ちゃんと水が注がれている
- 月:二つの塔の間に道が延び、犬と狼が月に吠え、手前の水からザリガニが陸へ這い上がってくる。水の中の生き物が陸へ出てくる絵柄は、オタマジャクシが足を生やしてカエルになる姿に重なる。気持ち悪いカエルの夢のあとに出たなら、変わる前の不安は、まだ水面の下で形を探しているだけ。→ 月
世界の象徴としてのカエル
- ヘケト:古代エジプトの出産と豊穣の女神。カエル、あるいはカエルの頭をもつ女性の姿で表される。たくさんの卵を産み、姿を変えて育つカエルは、新しい命の印だった。→ 出産
- 月の蟾蜍(ひきがえる):中国の古い伝えでは、不死の薬を盗んで月へ逃れた嫦娥は、月でヒキガエルになったとされる(後漢の張衡『霊憲』)。月の宮を「蟾宮(せんきゅう)」と呼ぶのも、月にカエルが住むという考えから。→ 月
- カエルの王さま:グリム童話の第1話。泉に落とした金の毬を拾ってくれたカエルが、王女の城までついてきて、やがて魔法の解けた王子の姿に戻る。醜いと思っていたものが本当の姿を見せる話
- 井の中の蛙:『荘子』秋水篇の「井蛙(せいあ)には以て海を語るべからず」から。狭い井戸にいる蛙に海の話は通じない。夢で井戸や小さな池のカエルを見たなら、今いる場所の外に目を向ける時期
柳の枝に何度も飛びついた道風の蛙は、風が枝をしならせた一度で向こうへ渡った。夢の中でカエルがどちらへ跳んだかを覚えておくといい。こちらへ跳んできたなら何かが帰ってくる途中で、向こうへ跳んでいったなら、自分が枝を渡る番が来ている。

関連する項目
雨・お金・財布・墓・宝くじ・家・神社・龍・月・緑・白・金色・黄色・黒・妊娠・出産・卵
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大アルカナから一枚。
