白

白は、まだ何も書かれていない始まりの色として、そして神さまの側の色として読まれてきた。汚れを払って、まっさらに戻す。夢でも、日本の縁起でも、タロットでも、白が出てくるところには「清めて、新しく始める」という筋が通っている。日本では白い生き物が神の使いや吉兆とされ、花嫁も、神に仕える人も、旅立つ人も白をまとう。始まりと終わりの両方に白が置かれてきたのは、どちらも向こう側との境目だから。
白の夢
白が印象に残る夢は、夢占いでは吉夢とされることが多い。表しているのは、浄化、再出発、純粋な気持ち、そして守られていること。
読み分けの鍵は、その白が、まぶしかったか、寒々しかったか。光るような白、澄んだ白なら、心が洗われて、新しいことを迎える準備が整っている。冷たい白、何もない白なら、疲れて空っぽになっているか、何かを一度終わらせる時期。どちらでも、白は次を書き込むための余白を表している。
白い動物の夢
白い動物は、神の使いが姿を見せた夢とされる。ふだんの色の動物より、一段強い吉夢。
- 白い蛇:金運と守護の、いちばんの吉夢。→ 蛇
- 白い龍:迷いが晴れ、上へ向かう流れに乗る夢。→ 龍
- 白い犬:信頼できる味方が近くにいる。→ 犬
- 白い猫:直感が冴えて、幸運が静かに寄ってくる。撫でたり抱いたりしていたなら、その運はもう手の中。→ 猫
- 白い鳥・白い鳩:よい知らせが届く。たくさん飛んでいたなら、喜びごとが重なる。→ 鳥、鳩
- 白い馬:物事が勢いよく進む。願いに向かって走り出す時期。→ 馬
- 白い狐:稲荷の神の使い。商売や仕事の運。→ 狐
白い服・白い着物の人の夢
白い服の人が出てくる夢は、導き手が現れる知らせ。知らない人でも、その人の言葉や行き先は覚えておいていい。
亡くなった人が白い着物で出てくる夢は、見た人を不安にさせる。白い着物は旅立ちの装束で、その人の支度が整い、安らかな場所にいることを伝えに来ている。→ 亡くなった人
白いドレス・白無垢の夢
結婚の夢であると同時に、生まれ変わりの夢。白い花嫁衣装は、それまでの自分を終えて新しい家に入る装い。結婚の予定がなくても、生活や立場が大きく切り替わる前に見る。→ 結婚
白い花の夢
純粋な好意と、新しい関係の始まり。たくさん咲いていたなら、周りの人からの素直な好意に囲まれている。白い花を贈られる夢は、相手の気持ちに裏がない知らせ。
白い光の夢
白い光に包まれる夢は、守られていることの知らせ。大きな決断の前や、つらい時期を抜ける頃に見ることが多い。光のほうへ歩いていく夢なら、進もうとしている方向で合っている。
真っ白な部屋・真っ白な世界の夢
まっさらに戻る夢。ひとつの時期が終わって、まだ次が決まっていない、その間にいる。不安を感じたなら、何を書き込むかを自分で選べる時期に来ている。落ち着いていたなら、休んで整える時間として受け取っていい。
白髪になる夢
意外にも吉夢とされる。白髪は長く生きた人の知恵の色で、経験がまとまって、人から頼られるようになる知らせ。→ 髪の毛
一面の雪景色の夢
白の夢のなかでも、清めの意味がいちばん強い。心の中のわだかまりが、雪に覆われるように静まっていく。→ 雪
現実で白いものに出会ったとき
- 白い蝶を見かけた:亡くなった人の魂や、よい知らせの使いとされる。身近な人を思い出したなら、その人が近くに来ている。→ 蝶
- 白い羽根を拾った:守られているしるしとされる。玄関先や神社で見つけたなら、なお強い。持ち帰ってしまっておく人も多い
- 白いヤモリを見た:ヤモリは「家守」と書き、家を守る生き物とされる。白いヤモリは珍しく、金運や幸運の兆しとして喜ばれる。→ 家
- 白い光が見えた・写真に写った:神社で見えたなら、歓迎されているしるしとされる。目の端をよぎる白い光は、見守っている存在が近くにいる合図として受け取られてきた
- 白い動物に出会った:白い蛇、白い鹿、白い鳥。昔から、白い生き物に出会うのは吉兆とされてきた(下の「日本の縁起」)
日本の縁起
日本で白が特別なのは、穢れのない、神さまの側の色とされてきたから。
- 白い生き物は吉兆:650年、長門(今の山口県西部)から白い雉が献上され、元号が「白雉」に改められた。白い生き物の出現を天からのしるしとして祝った例
- 神の使いの白:岩国の白蛇、稲荷の白狐。奈良の春日大社には、鹿島の神・武甕槌命が白い鹿に乗ってやって来たという言い伝えがあり、今も鹿は神の使いとされている。→ 鹿、神社
- 白馬節会:平安時代の宮中で、正月7日に白馬(あおうま)を天皇に見せた行事。年の初めに白馬を見ると、一年の邪気が払われるとされた。→ 馬
- 白無垢:いちばん格式の高い花嫁衣装。神に仕える人の装いが白だったことから、神聖な儀式にふさわしい色とされた。嫁ぐ家の色に染まる、という意味も込められてきた
- 紅白:源平の戦いで、源氏が白旗、平家が赤旗を掲げたことに由来するとされる。祝いごとの紅白幕や水引は、この二色。→ 赤
- 白星:相撲の勝ち星は白。「白星をあげる」は勝つこと
- 弔いの白:死装束や白い菊のように、白は旅立ちの色でもある。白が「縁起が悪い」と言われることがあるのは、この面から。始まりと終わりが同じ色なのは、どちらも向こう側との境目に立つときだから。→ 葬式
- 白い財布:お金の出入りを清めて、新しい流れを呼び込む色として選ばれる。→ 財布
タロットの白
ウェイト版では、白は清らかさと、まだ汚れていない魂の色として、要所に使われている。
- 愚者:崖の縁を歩き出す若者が、白いバラを手にしている。足もとには白い犬。まっさらな始まりの札
- 魔術師:頭上には赤いバラ、足もとには赤いバラと白い百合。情熱と清らかな思いが、ひとつの庭に咲いている
- 女教皇:両脇に黒と白の二本の柱が立つ。白い柱には「J」の文字。光と闇の間に座って、両方を知っている札
- 力:白い衣の女性が、ライオンの口に手を添えている。白い心で、大きな力を御する
- 死神:骸骨の騎士が白い馬に乗り、白いバラを描いた黒い旗を掲げる。終わりは、清められた新しい始まりでもある
- 太陽:裸の子どもが白い馬に乗っている。生まれたままの喜び
白い夢を見た日にこの6枚のどれかが出たなら、夢と札が同じように、心を清めて次へ進むことを後押ししている。
世界の象徴としての白
- 四神と五行:中国の思想では、白は西と秋の色で、五行の「金」にあたる。西を守るのは白虎。東の青龍と向かい合う。→ 虎
- 中国の喪の色:中国では白は弔いの色で、祝いには赤を使う。日本の死装束の白とつながる読み
- 西洋の花嫁の白:19世紀、イギリスのヴィクトリア女王が白いドレスで結婚式を挙げたことから、白いウェディングドレスが広まった
- 白い鳩:オリーブの枝をくわえた白い鳩は、平和の象徴
東洋でも西洋でも、白は人が大きな境目を越えるときの色。生まれるとき、結ばれるとき、旅立つとき。白が目に留まったら、その境目に立っている。

関連する項目
黒・赤・金色・蛇・龍・狐・鹿・馬・鳩・蝶・雪・結婚・亡くなった人・神社・財布
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大アルカナから一枚。
