出産

出産の夢は、自分の中で育ててきたものが、外の世界へ出てくる夢として読まれる。妊娠の夢が「育っている途中」なら、出産の夢は「形になる瞬間」。温めてきた計画が実る、長く続いたことに区切りがつく、新しい自分として歩き出す。だから女性にも男性にも、独身の人にも出てくる。読み分けの鍵は、お産が軽かったか重かったか、生まれた子を見て自分がどう感じたか。
出産が夢に出てくる意味
夢占いでは、出産は実り・区切り・生まれ変わりを表す。多くは吉夢で、チャンスが外からやってくるというより、自分の中から出てくる。苦しさを越えて何かが生まれる、という筋が、この夢には通っている。
読み分けの鍵は三つ。
- お産の様子:するりと生まれたか、長くかかったか
- 生まれた子を見たとき:うれしかったか、戸惑ったか、ほっとしたか
- 誰が産んだか:自分か、友達か、家族か
出産の夢はお告げなのか
子を授かる前後に見る夢の言い伝えは、妊娠 の項目にまとめている。夢占いでは、出産の夢の多くは、自分が生み出そうとしているものの夢として読まれる。夢は子を授ける約束でも、授からない知らせでもない。夢の中で生まれた子の性別も、生まれてくる子の性別を決めるものではない。
状況ごとの読み
自分が出産する夢
うれしい夢だったなら、努力が形になる時期。仕事の成果、作品、暮らしの新しい形が、もうすぐ人の目に見えるところへ出てくる。怖かった、不安だったなら、新しい段階へ進む前の緊張が夢に出ている。怖さを感じていても、夢の中のお産は進んでいく。
独身・未婚なのに出産する夢
恋愛や結婚の知らせというより、自分の中の可能性が生まれる夢。趣味や仕事で温めていたものに、発表のときが来ている。生まれた子を抱いてうれしかったなら、それを人に見せていい。
痛くない・安産の夢
苦労せずに運をつかめる夢。準備が整っていたので、事が思ったより軽く進む。するりと生まれた夢は、肩の力を抜いて進めていいという知らせ。
陣痛がくる夢・難産の夢
痛みの強い夢ほど、生まれてくるものは大きいと読まれる。今抱えている苦労は、形になる手前の力の要る道のり。夢の中で無事に生まれたなら、その先に大きな実りがある。陣痛が始まったところで目が覚めたなら、動き出す時が近い。
帝王切開の夢
人の手を借りて、形にする夢。ひとりで押し出そうとせず、周りの力を頼っていい時期。
男の子を産む夢・女の子を産む夢
夢占いでは、男の子を産む夢は思いがけない幸運や勢いのある変化、女の子を産む夢は、努力が報われることや、人との関係がやわらぐことを表す。どちらも吉夢。夢の中の性別は、生まれるものの性質を表していて、生まれてくる子の性別の知らせではない。
双子を産む夢
二つのことが同時に実る夢。妊娠していない人が見るなら、仕事と暮らし、二つの計画、二つの縁が、一度に形になる。
動物を産む夢・人ではないものを産む夢
まだ形の定まらないものを生み出そうとしている夢。自分でも名前をつけられない思いつきや気持ちが出てきている。夢占いでは、思いがけない出来事の知らせとされる。猫や犬、牛が子を産むのを見ていたなら、身近なところで実りが生まれる。→ 猫、犬、牛
男性が出産する夢
男性が見る夢。新しい役目を引き受ける、自分の手で何かを生み出す時期に入る知らせ。長く考えてきた企画や、人を育てる立場が、形になって出てくる。
妊娠中に見る出産の夢
妊娠中に見る出産の夢は、驚くほどリアルなことがある。夢占いでは、新しい命を迎える支度を、心が先に始めている夢。怖い夢も、不安を先に外へ出して、身軽になろうとしている。→ 妊娠、赤ちゃん
誰が出産するか
- 友達が出産する夢:友達の暮らしが新しい段階へ進む知らせで、自分の中にも変わりたい気持ちがある。友達が幸せそうなら、自分にもいい知らせが届く。正夢かどうかより、夢の中の友達の顔を覚えておく。→ 昔の友達
- 母親・姉妹が出産する夢:家族の形が変わっていく夢。→ 母親
- 知らない人・他人が出産する夢:自分の周りで新しいことが始まる。変化を望んでいる自分の気持ちの夢でもある。→ 知らない人
- 好きな人・彼女・妻が出産する夢:二人の関係が次の段階へ進む夢。→ 好きな人、結婚
- 周りで出産が続く:スピリチュアルでは、実りの流れが自分の近くまで来ている印として読まれる。人の喜びを見て焦るときも、自分の中で育っているものは、自分の速さで育っている
日本の言い伝えと縁起
- 戌の日の安産祈願:お産の軽い犬にあやかって、腹帯を巻いてお参りする。→ 犬
- 中山寺の鐘の緒:兵庫県宝塚市の中山寺は、安産の観音さまとして知られる。寺の伝えでは、豊臣秀吉がここで世継ぎを願って秀頼を授かり、明治天皇の生母・中山一位局も、ここの腹帯「鐘の緒」を受けて無事にお産を終えたという
- 山の神を迎えに行く:お産を見守る神を産神(うぶがみ)という。東北では山の神を産神とし、産気づくと夫が馬を引いて山へ迎えに行った。山の中で馬が身震いしたり、いなないたりすると、山の神が乗り移ったとして家に帰った。→ 山、馬
- 箒の神:箒の神も産神とされ、この神が来ないと子は生まれない、と言う土地があった。箒で妊婦のお腹をなでる、枕元に箒を立てる、箒をまたいではいけない、という言い伝えが残る。厠の神もお産を助けるとされた。→ トイレ
- 産飯(うぶめし):生まれるとすぐにご飯を炊いて産神に供え、氏神の境内などからいただいてきた小石を添えた。その小石に神が宿るとされた
- コノハナサクヤビメ:燃える産屋の中で子を産んだ女神。→ 火、富士山
- 橋占:建礼門院のお産の折、母の二位殿が一条戻橋で先行きを占った。→ 橋
- 満ち潮に生まれる:人は満ち潮のときに生まれる、という言い伝え。満月や新月のお産がこれと結びつけて語られる。→ 海、月
- 厄年の出産:厄年に子を産むと、子が母の厄を落としてくれる、と言われる。厄年の出産は、むしろ縁起がいいとされてきた
豊玉毘売の産屋
『古事記』には、海の神の娘・豊玉毘売(とよたまびめ)のお産の話がある。夫の火遠理命(ほおりのみこと)の子を身ごもった豊玉毘売は、海辺に鵜の羽で屋根を葺いた産屋を建てさせた。「わたしの国の者は、お産のときにはもとの姿に戻ります。どうか見ないでください」と言い残して、屋根を葺き終わらないうちに産屋へ入った。夫はこらえきれずにのぞき、大きな鰐(わに)の姿を見てしまう。豊玉毘売は恥じて海へ帰り、妹の玉依毘売に子を託した。
生まれた子は、鵜葺草葺不合命(うがやふきあえずのみこと)と名づけられた。鵜の羽で屋根を葺き終えないうちに生まれた子、という名。→ 海
タロットでは
以下はウェイト版の絵柄。
- 女帝:星の冠の女性が、実りかけた麦の畑を前に座り、背後には流れ落ちる水。ウェイトはこの札を、この世へ入ってくるための「扉」、門だと書いた。出産の夢を見た日にこの札が出たなら、育ててきたものが扉をくぐる日。妊娠の夢との重なりは 妊娠 に
- 太陽:裸の子どもが白い馬に乗り、塀に囲まれた庭から、明るい方へ出てくる。生まれ出たものが、日の光の下を歩き出す札。→ 赤ちゃん、太陽
世界の象徴としての出産
- ルキナ:古代ローマで、お産を守る女神の名。ラテン語の「光」から来た名で、子を光の中へ連れ出す者とされた。ユノやディアナが、この名で呼ばれてお産を守った。→ 月
- ヘケト:古代エジプトの出産と豊穣の女神で、カエルの姿で表される。→ カエル
豊玉毘売の産屋は、屋根が葺き終わらないうちにお産が始まった。その子は、足りなかった屋根を名にもらって育ち、のちに神武天皇の父になった。夢の中のお産も、支度が整う前に始まることがある。

関連する項目
妊娠・赤ちゃん・母親・卵・犬・火・富士山・トイレ・橋・海・月・山・馬・太陽・カエル・牛・猫・好きな人・結婚・知らない人・昔の友達
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大アルカナから一枚。
