赤

赤は、夜が明けたときの色、そして生まれたばかりの命の色として読まれてきた。血の色、火の色、日の出の色。夢でも、日本の縁起でも、タロットでも、赤が出てくるところには「命が燃えて、前へ出ていく」という筋が通っている。そこに、日本でも中国でも魔を退ける守りの色という読みが重なる。生まれた子を赤ちゃんと呼び、還暦の人に赤をまとわせるのは、命の始まりを守る色だから。
赤の夢
赤が印象に残る夢は、夢占いでは力の強い夢とされる。表しているのは、情熱、生命力、恋、そして怒りや焦りのような熱い感情。
読み分けの鍵は、身にまとった赤か、あふれ出た赤か。赤い服や口紅のように自分が選んでまとった赤は、自分から動き出す力が満ちている。血や炎、真っ赤な空のように、あふれ出たり広がったりする赤は、抑えきれないほど大きくなった気持ちが外に出ようとしている。どちらも、命の火が強くなっていることに変わりはない。
赤い糸の夢
小指や手首に赤い糸が結ばれている夢は、縁の夢のなかでもいちばん分かりやすい吉夢。糸の先に誰かがいたなら、その人との縁が深まる。先が見えなかったなら、まだ出会っていない相手とすでにつながっている。糸がもつれていたなら、関係のどこかに言えていないことがある。切れる夢は、終わった縁をほどいて、次の縁に結び直す時期。→ 好きな人、結婚
赤い服・赤いドレス・赤い着物の夢
自分が赤い服を着ていたなら、魅力と自信が外にあふれている時期で、人から声をかけられることが増える。赤いドレスは、恋が燃え上がる知らせ。好きな人が赤い服で出てきたなら、その人の気持ちも熱くなっている。
赤い着物の女性や女の子が出てくる夢は、少し怖く感じられることがある。赤い着物は、七五三や祝いの晴れ着の色。命の盛りを祝う色が、見た人を守りに来ている。亡くなった人が赤い服で出てきたなら、向こうで元気にしていることを伝えに来ている。→ 亡くなった人
赤い血の夢
夢占いでは、血は命とお金の巡りを表し、吉夢とされることが多い。赤い血がたくさん流れた夢は、たまっていたエネルギーが一気に動き出す知らせ。→ 血
赤い月・赤い空・夕焼けの夢
赤い月は、心の奥の感情が満ちてきている夢。大きく見えたなら、その気持ちはもう隠しておけないほど育っている。真っ赤な空の夢を、何かの前ぶれではと心配して調べる人は多い。夢占いでは、赤い空は自分の中の大きな変わり目で、気持ちが高ぶっていることを表す。夕焼けなら、ひとつのことをやり終えた満ち足りた気持ち。→ 月、太陽
赤い花の夢
燃えるような恋と、情熱の実り。たくさん咲いていたなら、愛情に囲まれている時期。贈られた夢なら、相手の好意は本物。
赤い口紅・赤いネイルの夢
自分を表に出したい気持ちが強まっている。塗った赤が似合っていたなら、恋にも仕事にも、自分から一歩出ていい時期。
赤い車・赤い靴の夢
赤い車を運転する夢は、勢いよく物事を進める力が出てくる。赤い靴を履く夢は、新しい場所へ踏み出す意欲。→ 車、靴
赤い生き物の夢
現実で赤いものに出会ったとき
- 赤とんぼ:お盆のころ、先祖の魂はトンボなどの虫に乗って帰ってくるとされ、捕まえてはいけないと言われてきた。赤とんぼが肩に止まったなら、見守られている
- 赤いてんとう虫:てんとう虫は「天道虫」と書き、お天道さま(太陽)に向かって飛ぶ虫。幸運の虫とされる。イギリスではladybird(聖母の鳥)と呼ばれ、赤い羽は、古い絵で聖母マリアがまとっていた赤になぞらえられた。黒地に赤い点のてんとう虫は→ 黒
- 赤い車をよく見る:行動を起こす時期の合図として受け取れる
- 赤い光が見えた:守りの力が強く働いているしるし。体の芯から力が戻ってくる時期
日本の縁起
日本の古い色の名前では、「あか」は夜が明ける「明(あ)け」「明(あか)るい」と同じ根をもつとされる。赤は、闇を破って朝が来る色。
- 赤ちゃんと還暦:60年で十干十二支がひと巡りして生まれた年に還るので、還暦の人は赤子に還るとされ、赤いちゃんちゃんこと頭巾を贈る。赤には魔除けの力があるとされ、生まれた子にも赤い産着を着せた。→ 赤ちゃん
- 赤飯:もとは赤米を蒸したものとされ、赤い色で邪気を払う。祝いの席に出すだけでなく、凶事のあとに炊いて悪いことを返す「縁起直し」にも使われた
- 疱瘡除けの赤:天然痘(疱瘡)が恐れられた時代、病人の部屋に赤いものを置き、赤一色で刷った疱瘡絵を飾った。会津の赤べこも、疱瘡除けとして子どもに贈られた。→ 牛
- 申年の赤い下着:申年に赤い下着を身につけると、病が「去る」という言い伝え。東京・巣鴨では申年になると赤い下着を買い求める人が集まる。→ 猿
- 朱の鳥居と紅白:鳥居の朱は魔を退ける色。祝いの紅白は、源氏の白旗と平家の赤旗に由来するとされる。→ 神社、白
- 赤を避ける場面:「赤字」や火事を思わせることから、赤い財布を避ける人もいる。一方で中国では、赤はお金を呼ぶ色として好まれる。→ 財布、火事
タロットの赤
ウェイト版では、赤は意志と行動、生きる熱の色として描かれる。
- 魔術師:白い衣の上に赤いマントを羽織る。頭の上には無限大の印が浮かび、上と足もとに赤いバラが咲く。思いを現実に移す力
- 皇帝:鎧の上に赤い衣をまとい、雄羊の頭で飾った玉座に座る。決めたことをやり通す力
- 太陽:白い馬に乗った子どもが、赤い旗を大きく掲げる。命がいちばん明るく燃えている札。→ 太陽
赤い夢を見た日に 魔術師 が出たなら、夢のなかの熱を、実際の一歩に移していい。
世界の象徴としての赤
- 朱雀:中国の四神で、南を守る赤い鳥。五行の「火」にあたり、夏の色。北の玄武の黒と向かい合う。→ 黒
- 年獣と春節:中国の言い伝えで、年の終わりに村を襲う怪物「年(ニェン)」は、赤い色と大きな音を怖れた。春節に赤い飾りを貼り、爆竹を鳴らすのはそのため
- インドの花嫁:ヒンドゥーの花嫁は赤いサリーをまとい、結婚した女性は髪の分け目に赤い粉(シンドゥール)を差す
- 過越の血:旧約聖書の出エジプト記で、イスラエルの人々は戸口の柱に子羊の血を塗った。その家には災いが入らず、過ぎ越していったとされる
- ルベド:錬金術で、黒(ニグレド)から始まった作業が、白を経て最後に至る赤の段階。完成の色とされた。→ 金色
- 月下老人:中国・唐代の『続幽怪録』の「定婚店」に出てくる、縁結びの老人。月の光の下で帳面を読み、結ばれる男女の足首を、決して切れない赤い縄で結んで回る。この話が日本に渡るうちに、足首の縄は小指の赤い糸になった

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